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[2022-03-19 追記] Syntax binding の説明のためにXPathの記述を追加しました。
次の対応表もご確認ください。
コアインボイスのセマンティックモデル
セマンティックモデルとUBL 2.1の対応
UBL 2.1とセマンティックモデルの対応
Open Peppolには、請求書と関連する取引文書やその明細行への文書参照(Document reference)が定義されているだけでなく、会計処理への連動も可能な項目も定義されています。デジタルインボイスを活用したDXに向けて、Open Peppolが提供するデータ項目をいかに活用するかの視点も重要だと思います。
こちらの記事も併せてお読みください。
Open Peppolのデジタルインボイスを利用したDX 2022-03-02
デジタルインボイスと業務のデジタル化 2022-02-18
それぞれの項目については、次のURLから参照してください。
https://www.wuwei.space/jp_pint/laboratory.html
文書レベルの情報参照
次は、コアインボイスのセマンティックモデルで提供される文書レベルの情報参照です。
取引先との業務シナリオに応じて参照すべき関連文書の情報を記入するように取り決めておくことで人手を介さない突合チェックが可能となります。機械的に確認できない取引があれば、当然のことですが人手を介して内容確認を行うことになります。おそらく定形的な取引が８割で、それから外れるものが多くて２割ではないでしょうか。提携的な取引について自動処理させ、その記録も機械的に残し、場合によっては記帳まで繋げることで大幅な人件費削減と作業品質の向上が見込めます。
文書レベルでは、図で示した関連する文書への参照情報の他に次のような項目があります。
ibt-010 Buyer reference
買い手参照
An identifier assigned by the Buyer used for internal routing purposes.
買い手によって割り当てられたIDで、買い手の内部ルーティングの目的で使用。買い手が付したIDで、買い手内部での後続処理目的で使用。
XPath /Invoice/cbc:BuyerReference
注：
Open PeppolのユーザIDは企業単位で発行される。
この項目を売り手に記載してもらうことで、支店や工場など買い手の会計処理や業務処理を区別して自動処理させることが可能となる。
ibg-13 DELIVERY INFORMATION
納入先
A group of business terms providing information about where and when the goods and services invoiced are delivered.
納入先に係る情報。
XPath /Invoice/cac:Delivery
ibt-071 Deliver to location identifier
納入先ID
An identifier for the location at which the goods and services are delivered.
納入先の場所ID。
XPath /Invoice/cac:Delivery/cac:DeliveryLocation/cbc:ID
注：
ibg-13 DELIVERY INFORMATION<納入先で指定するこの項目を売り手に記載してもらうことで、支店や工場など買い手の会計処理や業務処理を区別して自動処理させることが可能となる。
ibt-018 Invoiced object identifier
請求されるオブジェクトID
An identifier for an object on which the invoice is based, given by the Seller.
請求書の根拠となるIDで、売り手が指定。請求書の根拠となるオブジェクトのIDで、売り手が指定したもの。
XPath /Invoice/cac:AdditionalDocumentReference[DocumentTypeCode = ‘130’]/cbc:ID
ibt-019 Buyer accounting reference
買い手会計参照
A textual value that specifies where to book the relevant data into the Buyer’s financial accounts.
買い手の財務勘定科目に関連データを記帳する場所を指定する。買い手のどの勘定に関連データを記帳すべきかを指定するためのテキスト値。
XPath /Invoice/cbc:AccountingCost
明細行からの関連情報参照
明細行レベルでも、納品書への参照情報を定義するibg-36/ibt-188の明細行文書参照/文書IDの他に次の明細行への参照が定義されています。
次は、コアインボイスのセマンティックモデルで提供される明細行レベルの情報参照です。
ibt-188 Invoice line document identifier
明細行文書ID
An identifier for the referenced document.
請求書明細行が参照する文書の識別子
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:DocumentReference[cbc:DocumentTypeCode != ‘130’]/cbc:ID
注:
日本仕様のSummarised invoiceで必要としている納品書への参照を指定するために、後述する ibt-128 Invoice line object identifier と同じUBL要素を使用するので、cbc:DocumentTypeCode != ‘130’という条件を指定している。
ibg-36 Invoice line document reference
明細行文書参照
A reference to a document that is relevant for the invoice line.
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:DocumentReference[cbc:DocumentTypeCode != ‘130’]
注：
ibt-188 Invoice line document identifier を複数指定する際に備えた親要素。
ibt-132 Referenced purchase order line reference
購買発注明細行参照
An identifier for a referenced line within a purchase order, issued by the Buyer.
買い手が発番した発注書内の明細行を参照するためのID。
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:OrderLineReference/cbc:LineID
ibt-183 Order reference
購買発注書参照
An identifier for a referenced purchase order, issued by the Buyer.
買い手が発番した発注番号を参照するためのID。
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:OrderLineReference/cac:OrderReference/cbc:ID
ibt-184 Despatch advice reference
出荷案内書(納品書)参照
An identifier for a referenced despatch advice.
この請求書が参照する出荷案内書（納品書）のID。
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:DespatchLineReference/cac:DocumentReference/cbc:ID
注：
欧州の要件として、明細行からn対nで購買発注書と出荷案内書への参照を求められたそうです。
購買発注書は、明細行への参照も定義しますが、出荷案内書は文書単位での参照です。
別の明細行から、別の出荷案内書への参照が定義できますが、この時には文書レベルでの出荷案内書への参照は定義させないルール(ibr-092)があります。
この他、次の項目も自動処理に活用できる項目です。
ibt-128 Invoice line object identifier
請求書明細行オブジェクトID
An identifier for an object on which the invoice line is based, given by the Seller.
売り手によって提供された、請求書明細行の根拠となるオブジェクトのID。必要に応じて、予約番号、電話番号、メーターポイントなどを指定できる。
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cac:DocumentReference[DocumentTypeCode = ‘130’]/cbc:ID
ibt-133 Invoice line Buyer accounting reference
請求書明細行買い手会計参照
A textual value that specifies where to book the relevant data into the Buyer’s financial accounts.
請求書明細行に関連したデータを買い手のどの勘定科目で記帳するかを指定するテキスト。必要に応じて、請求書を発するときに、この参照情報を買い手が売り手に提供する。
XPath /Invoice/cac:InvoiceLine/cbc:AccountingCost
写真は、ISO TC295 Audit data services全体会議(2018)に参加した際の杭州西湖です。
