Web3は、ブロックチェーン技術や分散型システムを活用した次世代のインターネットです。
Web3では、中央集権的なプラットフォームやサービスの代わりに、分散型アプリケーションやスマートコントラクトが使用され、ユーザーが自らのデータやデジタル資産の所有権を持つことができます。これにより、よりプライバシーに配慮された、信頼性が高く、透明性のあるインターネット環境が実現されます。

経済産業省が推進するウラノスエコシステムは、デジタル技術を活用して日本国内の産業や企業のデジタル変革を支援するためのプラットフォームです。
このエコシステムでは、多様な企業がデジタル技術を効率的に導入し、競争力を強化することを目指しています。
ウラノスエコシステムは、デジタル技術の標準化や新しいビジネスモデルの普及を支援するためのフレームワークを目指しています。

Web3とウラノスエコシステムは、デジタル技術の革新と普及という共通の目標を持っており、いくつかの側面で関連しています。
1. 分散型技術の活用
ウラノスエコシステムでも、Web3の中核技術であるブロックチェーンや分散型台帳技術（DLT）の利用の検討が必要です。
そのための、デジタルアイデンティティの管理やデータ共有の透明性を高める取組みが不可欠です。

ウラノスエコシステムには認証インフラの整備が含まれていませんが、Web3が提供する自己主権型のデジタルアイデンティティや分散型認証の考慮が期待されます。

これにより、日本の企業がヨーロッパのeIDASやGaia-Xなどの認証インフラに依存せず、日本独自の認証基盤の構築が可能です。

なお、トラスト基盤の認証は、IPAよりむしろJIPDECのISMS認証の延長上だと思います。

ウラノス・エコシステム運営事業者の認定 2024-06-28

Web3のスマートコントラクト技術を活用することで、ウラノスエコシステムの中で自動化されたビジネスプロセスや契約管理が実現され、取引の効率化やコスト削減が期待されています。

経済産業省が推進するウラノスエコシステムの中でもAPIの議論にとどまることなく、Web3の技術の活用が期待されます。

トラスト基盤の整備、分散台帳データの標準化、運用主体の確立などをしっかりと見据えておかないと、舶来品を導入すれば済むような問題ではありません。

２０２０年のEIPAへの提言と標準化の歴史ページで記載したYouTubeへのリンクも参照願います。