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1. InvoiceとCredit Note

日本では、nvoice (請求書)だけが使用されていますが、2021年~2022年の調査検討段階では、次のような文書も検討されていました。

Open Peppol文書の概要:

  • Invoice (請求書): 商品やサービスの販売に対する支払いを要求する文書。具体的な取引の詳細(価格、数量など)を記載。

  • Credit Note (クレジットノート): 過剰請求や返品による返金要求を処理するために発行。元の請求書の訂正にも使用される。

  • Statement (明細書): 一定期間内の全取引の概要を提供。請求書やクレジットノートの総額をまとめて表示し、アカウントの現在の状態を反映。

これらはすべて、取引の正確性を確保し、適切な会計と財務報告をサポートするための文書です。
各文書は、取引の特定の側面を扱い、取引の誤りを訂正したり、買い手と売り手間の正確な金銭的関係を維持するために使われます。

クレジットノートは、欧州、シンガポール、オーストラリアなどで広く使われています。
主に過剰請求や商品・サービスの返品・返金時に発行されます。
欧州では、特にVATの調整に役立ち、販売者と購入者間での税金の適正な管理に貢献しています。
シンガポールやオーストラリアでも同様に、ビジネス間の取引で誤請求があった場合にこの文書を用いて調整が行われます。
これにより、正確な財務報告と税務申告が支援されます。

1.1. 適格返還請求書

後述するように、日本では、適格返還請求書はOpenPeppolの枠組み内でクレジットノートとして表現するのが適正ですが対応されていません。
クレジットノートは、過剰請求や商品・サービスの返品に伴う返金を処理する文書です。
適格返還請求書は、元の取引に関する誤りを訂正し、売り手と買い手間の正確な金銭的関係を更新するために使用されます。

1.2. 請求書の訂正で適格返還請求書を記載するには?

JP PINTでは、発行済みの請求書の訂正方法を次のように紹介しています。

Even though there are some ways to correct a mistake on the preceding Qualified Invoice, only the way to rectify the preceding Qualified Invoice is supported by this Japan BIS.

In this case, the Standard Japanese Invoice (380) is used and in practice, to refer the preceding Qualified Invoice, Preceding invoice reference (ibg-03) may be used.

So, a buyer who receives Qualified Invoice with the reference to the preceding Qualified Invoice shall process it as the Qualified Invoice to correct a mistake on the preceding Qualified Invoice.

翻訳:
発行済みの適格請求書に誤りがあった場合の修正方法はいくつかありますが、日本では、発行済みの適格請求書を再発行する方法のみをサポートしています。
この場合、標準的な日本の請求書(380)が使用され、発行済みの適格請求書を参照するために「発行済みの請求書参照ibg-03)」が使用されます。
発行済みの適格請求書を参照する適格請求書を受け取った買い手は、それを発行済みの適格請求書上の誤りを修正する適格請求書として処理しなくてはいけません。

— Peppol Specifications for Japan implementation of PINT

日本のBISでは、発行済みの適格請求書上のミスを修正するために、新たな適格請求書を発行し、その適格請求書が発行済みの適格請求書の修正であることを示す参照(Preceding invoice reference)を使用します。
これにより、誤りが正確に訂正され、取引記録が更新されます。

この使用法で請求書の訂正は可能となるのですが、過剰請求や商品・サービスの返品・返金のための処理(適格返還請求書)にこの方法が使用できるか検討してみます。

この場合直接的な返金額の表現ができませんので、過剰請求の修正には適していますが、返金処理そのものを示すためには、通常クレジットノートの発行が適切です。
適格請求書での訂正は、誤りの修正には有効ですが、返金額を明示するためには追加の手段が必要になります。

1.3. Allowance(返金)での表現

Invoice(請求書)にAllowance(割引または値引き)を定義することで、過剰請求や商品・サービスの返品に伴う返金を処理することが可能です。
これにより、クレジットノートを発行せずに、元の請求書に直接調整を加える形で処理を行うことができます。
この方法は、取引の透明性を保ちつつ、財務処理の効率化を図るために有効な手段となります。

返金処理や過剰請求の修正、商品・サービスの返品に伴う金額調整で使える割引に関連する5189 割引/課金識別コードには、「95 Discount (割引)」のほか、「60 Manufacturer’s consumer discount (メーカーの消費者割引)」、「67 Sample discount (サンプル割引)」、「68 End-of-range discount (在庫処分割引)」などがあります。
これらのコードは、特定の条件下で商品やサービスの価格を調整するために使用されます。

JP PINTでは、発行済みの適格請求書を参照する適格請求書はすべて発行済みの適格請求書上の誤りを修正する適格請求書として処理しなくてはいけませんので、次のいづれかの対応が必要となります。

代わりに納品書情報を参照するなど 発行済みの適格請求書を参照しない

発行済みの適格請求書の内容を全て掲載したうえで返金額をAllowanceに記載する

クレジットノートを使用して、適格請求書=インボイス(Invoice 380)、適格返還請求書=クレジットノート(Credit Note 381)としておく方が対応が容易になるのですが、ここまで考慮する検討に至らなかったことが…​。

なお、スキーマトロンのルールは、クレジットノート(Credit Note 381)に対応していますので、C2のプロバイダにクレジットノート(Credit Note 381)を送信しても排除されないと思われます。

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